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英語の勉強法:まじめな英語学習法レシピ

私の主人(見た目ばっちりガイジン系アメリカ人)と英語で話しながら外を歩いていると、必ずと言っていいほど、こんな会話が耳に入ってきます。

俺まじ、中学のとき英語、ちゃんとべんきょうしておきゃよかったな~。

主人が日本語を理解できるという可能性はもとより、日本人である私のほうは、彼らに「英語の話せるナゾの非日系アジア人」として処理されているのか、私たちに会話がばっちり聞かれていることや、その会話がふと視界に入ってきたうちの主人のガイジンフェイスに起因することがバレバレであることなんてお構いなしに彼らは会話を続けます。

英語きらいだったし、俺あたま悪いから、手遅れだな!

主人にひとしきり、日本語の「手遅れ」の意味を説明したあと、私たちは思います。

「ちがうちがう、手遅れなんかじゃない!」

そう、手遅れなんかではありません。そんなふうに思っているひとをちょっと勇気づけるため、英語を話せる日本人を作るレシピ(英語の勉強法の説明書)を作ってみました!

材料

とつぜんですが、私は料理が好きではありません。そんな私が料理しなくちゃいけないとき、材料が多いと、もう床に突っ伏せたくなります。多いと気が散って、どこから手を付けていいかわからなくなるんです。それに材料が多いからって美味しくなるとは限りません。ということで、「英語が得意じゃない人も、材料(=英語の習得ステップ)が多いと凹んでしまうではないか」ということをお察しして、このショートな材料リストを捧げます。大切なのは、厳選素材をシンプルに、一生懸命じっくりコトコト煮込むことです!(一番いい学習方法は、効果的な勉強方法を選んで、ひたすら練習すること。)

  • 明確な動機:大さじ5杯
  • 発音の理解を深めるYouTube動画:3カップ
  • 多聴のための音声とトランスクリプト:1キロ
  • 薄っぺらの文法書(ワークブック):1束
  • 英語を話す相手:5キロ(無い場合は「とてつもないイマジネーション」で代替可能ですが、味が落ちます)
  • ちょっとの辛抱:250cc(無い場合は「とてつもないマイペースさ」で代替可能)

明確な動機

これはベタですが、外せません。どうして英語を話せるようになりたい・上達したいんですか?海外に転勤になったから?英語が大好きだから?(英語が大好きだというのは立派な動機。)それとも、ニューヨークでシェフになる夢があるから?タイトルどおり、「明確」でなくてはいけません。「英語の勉強は辛抱のいるものだから」ということ以外にも、動機が必要だと思う理由は、私自身、「英語」しかできることがないと思っていた時期があって、「とりあえず英文事務」や「とりあえず社内翻訳」をしていたことがあるのです。英語だけしか頑張ってこないと、一定の年齢になると人生の行き止まりに突き当たります。その当時も今も、外国語大学時代の友達が、ふと言い放った言葉が心に響きます。

通訳者には、なろうと思えばなれると思うけど、私は通訳される人になりたい。

よっちゃん(この名言の主)、このセリフ、カッコよすぎるよ!通訳される価値のある何かを持っている人は、単に英語が話せるだけの人より数倍かっこいい!ちょっと脱線しましたが、それでも英語が話せるようになりたいと思ったら、つぎの材料へ!

発音の理解を深めるYouTube動画

「発音」を2番目に挙げたのには理由があります。「発音できれば、聞き取りが100倍楽になる」からです。英語の学習に順序なんてつけられるものではありませんが、もし存在するとしたら、これはかなり初期に取り組むべき課題です。これはホントに重要!繰り返します:

発音できれば、聞き取りが100倍楽になるのです

「まず音が聞こえてから、その音を真似て発音するのが自然な順番」のようにも思えますが、ある一定の年齢を過ぎると、母国語にない音を聞き取るのはぐんと難しくなることは有名です。大人の私たちにとっては、その脳科学な壁を無理やり耳だけで乗り越えようするより、視覚と説明を使ってひとつひとつの音をどういう口の形、どういう下の形で出すのかということを理解してから、それを真似て発音するほうが、よっぽど簡単で効果的なのです。今考えると、学校の英語教育では発音にはほとんど時間を割いてはくれませんでした。そう考えると、英語が苦手な日本人が多いのも納得です。発音できないものは、聞き取りずらい。発音自体は完璧ではなくてもいいですが、「舌がどうなっている」とか「口の空き具合がどうなのか」等に注意してみてください。それが理解できると、聞き取るときに、どんな点に注意すべきなのかが明解になるのです。英語圏で子供に発音を教えるときに使う、「フォニックス(Phonics)」という有名な手法があるのですが、これが第二言語として英語を学習している大人の方にもおすすめです。ボーナスとして、これを学習することによって、初めて見る単語でも、なんとなくどんな風に発音されるのか予測できるようになります。子供に教えると、これを使って本を読めるようになったりして、学習能力の基礎になる素晴らしい手法です。中学生のとき、Mondayを「モンダーイ」と覚えていませんでしたか?そうやってスペルを覚えると、スペルを覚えるための音「モンダーイ」と本当の発音「マンデイ」の二通りを覚えなくてはいけないのです。なんという脳内スペースの無駄遣い!ここにひとつ、フォニックスを使用した発音レッスンの動画を貼っておくので、ぜひ参考にしてください。ここで、まとめると、「発音方法を理解して、音出しの練習をして、リスニングの能力を高めるための基礎作りをする」がステップ1です。

なかなか発音の仕方が理解できない音が出てきた場合は、[r pronunciation]など、問題のアルファベットとpronunciationを組み合わせて動画検索すると、詳しい発音解説が出てきます。ちなみに余談ですが、下の動画は、RとWの発音の違いを解説した動画です。LとRではなく、RとWです。そう、実はネイティブスピーカーにとっては、RとWはとても近い音なんです。よくアメリカ人の子どもがrabbit(うさぎ)と言おうとして「ワビット」と言っている姿を見かけます。かわいい!

そんなわけで、私は発音が邪険にされすぎている日本の英語教育について、悲しく思います。本当は大事なのに!(ですので、うちのえいご学校では、とくに初級のレッスンでは発音に重点をおいてレッスンしています。)

多聴のための音声とトランスクリプト

多聴は避けては通れない英語学習の肝。言語学習はある程度インプットが必要ですが、読むより聴くほうが断然多くを短時間でインプットできるのがポイントのひとつ。だからステップ1で発音を学習し、きちんと音が聞こえるようになることが重要なのです。リスニングで聞こえない音は、耳だけで聞いて音を理解しようとするのは、至難の業です。余談ですが、まだ会ったことがない、従妹の旦那様が相当なおしゃべりならしいのですが、ぜひ日本語勉強中のうちの旦那とお会いして、いっぱい話しかけてほしい。「言語学習は、量だからね!」と冗談交じりに話したことがありますが、まじめな話、量が大切というのは不動の事実。

聞いて学ぶことの利点は、読むより速く多くインプットできることだけではありません。ネイティブスピーカーが読む・話すリズム、文の切れ目に注目することで、彼らがどのように文を切り分けて理解しているかということが分かるのです。文法や意味を理解したうえで聞けば、さらに記憶の強化に繋がります。

多聴等のインプットの過程で狙いたい主な効果は、たくさんの言い回しパターンを学ぶことと、それを繰り返し「経験する」こと。ただし、ただ聞いているだけでは効果は出ない。具体的にどうやって聞くのかという方法に関しては、次の項で見てみてください。

薄っぺらの文法書(ワークブック)

大人になってしまった、もしくは「臨界期」を過ぎてしまったみなさんが、残念ながら避けて通れないのが、文法とのバトル。臨界期を過ぎたあと、言語の自然習得能力と引き換えに論理的思考能力というやつを手に入れるわけですが、そいつを使うことが必要になります。うわぁ嫌だな…って思いましたか?だから文法書は薄いほうがいいのです。薄いぶん、「余計な」情報がなく、調べたいことが探しやすい。私は厚い文法書を持っていたことはありませんし、必要と思ったこともありません。文法書の役目は、文を作るうえでの基本的なルールを理解する助けとなってくれることだけ。それ以上の例外や、もっと詳しいことはインターネットで調べればいいのです。文法書は、「この部分をもっと理解したいから調べてみよう」という興味を促すきっかけになれば十分なのです。そもそも厚い文法書を好んで買うようなひとであれば、こんな記事も読んではいないですよね笑。

「たくさん売られている文法書のなかで、どれが一番がいいの?」と思う方もいるかもしれないですが、書店に売られている文法書で、そこまで間違いの多い文法書なんてありませんから、自分が気に入ったものを選ぶのが一番いいです。自分で書店に出向いて選ぶというのがミソです。おすすめをインターネットで調べて選んではいけません。自分で惚れ込んだ一冊を選んでください。とにかく薄くてやる気の起きそうな文法のワークブックを選んで、端から端まで読み・解きます。中高生が買うようなせいぜい150ページくらいのドリルで十分です。

たまに「文法なんて必要ない、日本語だって文法の理解なしで習得したじゃないか」ということを言う意見がありますが、大人の学習者である私たちにとって、それが本当である可能性は以下の2つの場合だけです。1)「あなたは稀にみる天才」、2)「あなたには稀に見る幸運さがあって、いい年した大人が話す拙い英語に付き合ってくれる、スーパー物好きで、お節介なお母さん的ネイティブスピーカーが周りにいる」。羨ましい限りですね。確かに一度話せるようになれば、みんな文法なんて考えて話してはいないのですが、話せるようになるまでは、ちょうど自転車の補助輪のような役目としてある程度の文法の理解が必要なのです。ネイティブスピーカーであっても、文法をきちんと習わなかったために、めちゃくちゃな話し方をしている人はたくさんいます。英語を使って、きちんと説得力のある話し方をしたいなら、そして内容のある会話を楽しみたいなら、やっぱりある程度の文法の勉強は必要と思うのです。

さて、話題を戻しまして、具体的にどうやって多聴するのか(方法)をご説明します。

  1. トランスクリプト(音声の内容が書かれたもの)を目で追いながら聞く
  2. 意味がわからなかった文章に印をつける
  3. 文をSVOC(+M=副詞句・節)にわける
  4. わからなかった単語の意味を調べる
  5. 単語が分かってもどうしてそういう文の構成になるのかということがわからなかった文の文法を、「へぇー」とは「はー」とか言いながら、文法書とインターネットを使って調べて完全に理解する
  6. 声を出して読む
  7. セリフをすべて覚えるほど繰り返し聞く。シャドーイングする

このプロセスでは、たくさんのパターンを「経験」することを目的とします。英語には、例外がたくさんあります。決まり文句もたくさんあります。話せるようになるための英語の勉強は、スポーツです。繰り返し同じ練習をすることが、とてつもなく大切なのです。

英語を話す相手

「聞き流したら話せるようになりました~」は・・・残念ながら、私の知る限り、嘘です。私の母国語は日本語ですが、アメリカに留学中、日本語を絶対話さないと決め込んで、数か月話さなかったことがあります。結果、話し方がぎこちなくなってしまいました。(母国語の場合は2、3日でもどります。)母国語でさえ、そうなのですから、話せたことのない外国語なら尚更。英語の勉強は、スポーツですので、ふつうの会話のスピードで話せるようになるまでは、やはり訓練が必要です。

私が高校生の時、英語の先生が、当時の私にとってはとても面白いと思うことを教えてくれました。「ボキャブラリーには2種類ある。文章に出てきたときに理解できる単語と、自分で使える単語の2種類だ」だそうです。英語を学習する動機や理由にもよりますが、話せるようになりたいと思っているなら、やはり話す機会は必要なのです。話しているうちに、知っているはずなのに思い出せない単語にぶち当たります。そういった発見も、大切な学習プロセスのひとつなのです。

ちょっとの辛抱(無い場合は「とてつもないマイペースさ」で代替可能)

言語学習はクラムチャウダーを粗目のザルでキャッチするようなものです。一回目は大きな具やスープの濃い部分だけザルの中に溜まるでしょうが、ちょっと間をおいてまたクラムチャウダーを流し込めば、一回目に流したクラムチャウダーがちょっと固まって、こびり付いて、ザルの目がちょっとだけ細かくなっていることでしょう。英語の学習も同じで、最初はほとんどキャッチできないし、先の長い道のりに感じられるでしょうが、二回目は一回目より多くの単語を聞ける、理解できる、となります。そうやってどんどんクラムチャウダーをザルの中に溜めていくかんじです。おかしな例ですが、まじめな話、感覚的には本当にこんなかんじです。辛抱づよく、ゆっくりと勉強することが大事なのです。がんばって、ゆっくり自分のペースでクラムチャウダーをザルキャッチしてください!これ書きながら、もっと素敵な例がないかと思いましたが・・・自分の腹の虫を責めます笑。

おまけ:英語(第二外国語)を学習するに際に一考しておきたい英単語(ボキャブラリー)のはなし

突然ですが、appleはりんごですか?pumpkinはかぼちゃなのでしょうか?アメリカで10年近く暮らしていたことのある私にとっては、appleとりんごと聞くと、ちょっと違ったイメージが頭に浮かびます。pumpkinとかぼちゃに至っては、かなり違います。appleはりんごよりもかなり小ぶりですし、pumpkinは皮がオレンジでかぼちゃより断然大きく、ナツメグなどのスパイスがかかった味を連想するのです。

このように直訳できる・できないを問わず、英単語と日本語訳の表す対象には多かれ少なかれ、違いがあります。見て触れる有形の名詞は違いに気が付きやすいのですが、無形の名詞や動詞・形容詞の違いはわかりにくい。どうしてこんなお話をするかというと、これに気づいているかいないかで、単語を勉強していて躓くことがあっても、どうやって対処したらいいのかが分かると思うからです。

たとえばhotという単語。日本語では、「暑い」という訳が一番すぐ思い浮かんだでしょうか?これを、hot=「暑い」と覚えていると、この同じ単語が「辛い」と訳されたとき、混乱してしまいます。一見まったく違うように思えるこの2つの訳ですが、じつは両方とも、体に起きる現象としては、同じなのです。辛い物を食べても、気温の高い部屋に入っても、体温があがって、hotと感じます。

ほかにも、appreciateという単語は「感謝する」と訳されることが一番多いかと思いますが、「良さがわかる」と訳されることもあります。たとえば、ピカソの抽象画をみて、ある人は「素晴らしい」と思うかもしれないですが、またある人は「こんなの5歳児でも描ける」と思うかもしれません。そういうときにappreciateという単語を使いますが、「良さがわかる」というのは「ありがたみがわかる」と基本的に意味であるとわかれば、どうしてこの2つの意味が同じ単語で表せるのかがわかるのです。

単語というのは、その話者が、この世の中に存在するもののなかで、何に注目して、何を重要と思い、どうやってこの世の中を切り分けるかを表しています。「一つの単語につき、いろいろな意味を覚えなくちゃいけないなんて面倒くさいな」または「効率のいい英単語の覚え方はないかな」と思ったときは、ちょっと視点を変えて、こうやって根底にある意味の共通点を探してみると、単語の勉強がぐんと楽に、そして面白くなるはずです。がんばってください!

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